●年金を繰り下げて受給すると、
65歳を基本年齢として1カ月繰り下げる毎に受給額が+0.7%増額に、
1年繰り下げると+8.4%の増額に、5年繰り下げると+42%の増額に、
最大繰り下げ期間10年では+84%まで増額することが可能なので
年金の受取り開始時期をどうするか悩まれている方も多いと思います。
●年金を65歳から受け取る場合と繰り下げ受給した場合とどちらが有利か
を判断する場合には、一般論ではなく是非ご自身のケースで下記の項目を
織り込んだキャッシュフローのシミレーションを行い、比較して頂くことをお勧めします。
その際には、人生100年時代、年を重ねていくと医療や介護サービスのお世話
になることも多くなりますので医療・介護の視点も大切です。
これからの人生も安心して暮らしていけるように今後の収入と支出を見通し
金融資産残高がどう推移していくかを見て下さい。
●今、新たに検討に加えたい項目は、「iDeCoの70歳までの加入延長」に
よる効果についてです。2025年6月に年金改正法が成立し、確定拠出年金
制度が更に拡充されることになりました。 その中でもiDeCo加入は、
「国民年金の被保険者であること」という要件が撤廃され、下記の方は
70歳まで加入が延長されることになりました。但し、施行時期は3年以内
とだけ公表されていますが、具体的な時期は現在未定です。
70歳まで加入が延長される方は
・70歳未満で老齢基礎年金とiDeCoの老齢給付金を受け取っていない方で
以前からiDeCoやDCに加入しており、iDeCoを継続されている方
まだ、具体的な施行時期は公表されていませんが、iDeCo加入が70歳まで
延長されると下記のような方にはかなり魅力的です。
老齢基礎年金の受給を開始すると70歳まで加入が延長されませんので
今後の情報も収集しながら、65歳から受取を始めるかどうかよく見極め
たいところです。
・自営業で65歳以降も仕事を継続されている方
所得控除は小規模企業共済の掛金max84万円/年に加えて
iDeCoの掛金max90万円/年を加えるとmax174万円/年まで拡大
・給与所得のある方
所得控除にiDeCoの掛金max74.4万円/年を加算可能
・不動産所得、一時所得、雑所得等があり確定申告が必要な方
所得控除にiDeCoの掛金max74.4万円/年を加算可能
・iDeCoで積立ててきた年金資産を一時金で受取りを計画し
その際に退職所得控除の金額を増やしたい方
退職所得控除 加入期間20年まで → 40万円/年
加入期間20年超 → 70万円/年
・iDeCoに掛金を拠出し、運用益が非課税になる仕組みを有効に活用し
運用益を更に増やしていきたい方
●シミュレーションで織り込みたい項目
(1)65歳から受給開始する場合
①受給した年金をNISA口座で運用(運用益は非課税)するケース
(2)繰り下げ受給する場合(手取り金額の想定)
繰り下げることにより増額が期待できる一方で、税金や社会保険料の負担
が拡大するケースもあります。ご自身のケースをしっかりとシミュレーションし
(1)のケースと比較することををお勧めします。
a.プラスの影響
①1カ月繰り下げ+0.7% 1年で+8.4% 5年で+42% 10年で+84%増額
②iDeCo 70歳まで加入延長による所得控除の増額効果
③iDeCo 70歳まで加入延長による退職所得控除の増額効果
④iDeCo 70歳まで加入延長による運用益の増額効果
(施行時期は3年以内、具体的な時期は現在未公表)
b.マイナスの影響
①所得税(2025年度税制改正により基礎控除額は増額)
②住民税(税率10% 基礎控除は未改正のまま)
③国民健康保険料(所得割の料率約10% 市町村により異なる)
④国民健康保険の自己負担割合*への影響
~69歳 3割負担
70歳 ~74 歳 2割負担 (一般・低所得世帯) 3割負担(現役並み所得者)
75歳 ~ 1割負担 (一般・低所得世帯) 2割負担 (一定以上所得のある人) 3割負担(現役並み所得者)
(*年齢及び所得や収入区分に応じて細分化)
⑤介護保険料(合計所得に応じた料率)
(所得に応じて保険料段階が設細分化され、それぞれに応じた段階料率が適用)
⑥介護保険の自己負担額への影響
1割負担 or 2割負担 or 3割負担
(影響額が大きいので、ご自身がどの区分に該当するかを確認してシミュレーションをして下さい)